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4‐19 カダフィーは独裁者なのか?

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 こうしたことを眺めてくると、「世界全体がアメリカの背後にいる者たちに騙されている」という恐ろしい事実が見え始めるはずです。


 たとえばすでに他の小冊子で述べましたように、エクアドルという国では、たとえ100ドル分の石油が産出されても、米国系の超巨大企業が根こそぎそその利益を持っていってしまうために、国民のために使用されるお金は、わずか2ドル5セントほどしかありません。しかもエクアドルは2008年にデフォルト(債務不履行)、国家破綻しています。


 しかしリビアの政治指導者カダフィーは、アメリカの背後にいる者たち≠ノ刃向いました。もちろんカダフィーのその姿は、プーチンのように一見すると独裁者にも見えますが、しかしロシア国民と同様に、多くのリビア国民にとってカダフィーは英雄だったのです。



 なぜならリビアは石油の埋蔵量では世界で8番目ですが、しかしリビアの石油は不純物がなく、世界で最も純度が高く、そしてこのカダフィーという人物のおかげで、リビアは自国で採れる石油を自国民のために使うことができたからです。


 その結果、リビアの人々はこの日本では想像できないほど、豊かな暮らしを実現させたのです。それは以下の通りです。


1.電気代の請求書が存在しない。電気は全国民、無料。

2.融資には金利がなく銀行は国営で、全国民に対して与えられる融資は、法律で金利ゼロ・パーセント。

3.住宅を所有することが人権と見なされている。

4.全て(違うという意見もあり)の新婚夫婦が、新家族の門出を支援するため、最初のアパート購入用に政府から60,000ディナール(約450万円)を受け取る。

5.教育と医療は無償。識字率は83パーセント。

6.農園を始めるための、農地、家、器具、種、家畜が、全て無料で与えられる。

7.政府が外国に行くための資金を支払い、さらには実費のみならず、住宅費と自動車の経費として、月に2,300ドル支払われる。

8.自動車を購入すると政府が価格の50パーセントの補助金を出す。

9.石油価格は、リッターあたり、0・14ドル(10円ほど)。

10.対外債務は無く、資産は1500億ドルにのぼる。

11.卒業後就職できない場合は、本人が雇用されているかのごとく、特定職業の平均給与を、職が見つかるまで国が支払う。

12.石油のあらゆる売上の一部が全国民の銀行口座に直接振り込まれている。

13.子供を生んだ母親は、5,000ドル支払われる。

14.パン一か月分の40斤(きん)が0.15ドル(10円ほど)。

15.(国民の) 25パーセントが大学の学位を持っている。

16.人工河川計画として知られる世界最大の灌漑プロジェクトを26年かけて遂行した。



 世界で最も豊かな国であるはずのアメリカでは、5人に一人がフードスタンプというアメリカ流の生活保護を受けています。日本でも年収が200万円以下の方、いわゆる「ワーキングプア」と呼ばれる方は1000万人以上、労働人口の5人に1人です。


 そのため子供の貧困率は過去最悪となり、子供の6人に1人が貧困状態となり、これはけっして母子家庭に限ったことではありません。そのために国から、文房具代、給食費、修学旅行費などの援助を受けている児童・生徒が急増しています。しかも親の貧困によって十分な教育が受けられず、家庭の経済苦がそのまま子供たちの進学、就職に影響をおよぼしています。


 児童虐待の件数は過去最高を記録し、多くの赤ん坊や子供が苦しんでおります。児童相談所によると児童虐待が起こる家庭の大半が、経済的に困窮していると言われております。


 生活苦のために共働きをしたり、あるいはシングルマザーであったりすると、我が子を抱いて育てることができず、愛情が不足しがちになることがあるそうです。そして仕事で疲れ果てて帰ってくると赤ん坊が泣き続ける、あるいは子供がなかなか言うことを聞いてくれない・・・。虐待と経済は無関係ではありません。


 新宿の歌舞伎町などを歩くと、ほんの数年の間で「ここまでホームレスが増えてしまったのか」と驚かされます。経済苦が人々の不安を増長し、ストレス社会をかきたて、ウツに苦しむ人を増やす・・・、日本全体が今、徐々にプチウツ化していっているように見えるのは、私の目の錯覚なのでしょうか。


 ホームレスが増え続け、銃乱射事件が起こるアメリカ、その腐敗した国を真似ていく日本、しかしアメリカや日本、エクアドルの暮らしと比べて、リビアの暮らしはまるで夢のようです。


 リビアの人は言います。「日本はリビアより豊かだが、しかしリビア人のほうが豊かな暮らしをしている」と。


 しかしプーチンやフセインといったある国の首脳が、凶悪な独裁者≠ノ仕立てあげられてきたように、このカダフィーという人物も彼ら(・・)に歯向かったことで、凶悪な独裁者≠ノ仕立て上げられてしまいました。


 たしかにカダフィーには独裁者的な面もあったでしょうが、しかしリビア国民の暮らしを豊かにしたのはまぎれもない事実です。


 しかしこのカダフィーも、フセインと同様にすでにあの世に送られました。


 リビア国内の一部の不満分子によって起こっていた内戦に、アメリカ国連軍がわざわざ介入して、そのどさくさまぎれに空爆をおこなって、その不満分子によってカダフィーは家族もろとも殺害されてしまったのです。今のリビアはイラクのように混沌としております。


 このことについて、堂々と怒りをあらわしたのはロシアのプーチンくらいでした。


 どうやらシオニストたちは、このリビアと同じようなことを、シリアでも行おうとしているようです。リビアの苦い経験から、プーチンもシリアでは慎重になっているようです。