無差別通り魔殺人の深層



 「日本企業は、外国企業との過酷な競争に打ち勝つため、技術開発・設備投資に莫大な費用を必要とし、その資金を捻出するため、サラリーマンの給与を低く抑え、リストラ=首切りを続け、アルバイト・パートの『使い捨て労働者』を生み出して来た。月給7万・8万円の、将来に希望が持てず、結婚も出来ないフリーターの急増は、日本企業が生き残るための、致し方ない方法であった」。こうした日本企業・国家の生き残りのための「犠牲」が、フリーターであった、という分析が流布している。

 トヨタ自動車の昨年の、研究開発・設備投資は1兆800億円。

株・債券(サブプライム債券含む)・原油・貴金属等への「金融ギャンブル投機に使用された資金」は、4兆8000億円。

ギャンブル投機に使われた資金は、設備投資の4倍を「はるかに上回る」。

ギャンブル投機の資金を捻出するため、サラリーマンのクビを切り自殺に追い込み、将来の希望の無いフリーターが絶望の余り無差別通り魔殺人に追い込まれる「雇用環境を作って来た」。

これが、真実である。

恐慌と、世界大戦への引き金となるサブプライム債券の失敗。ヘッジファンドによる食糧・原油高騰。こうしたギャンブル投機の資金が、「どこから出てきたのか」を、これは明確に示している。