2005.12.7
2005年森田実政治日誌[491]

小泉改革の欺瞞性を暴露した注目の憂国・警告の書を紹介します
中丸薫、ベンジャミン・フルフォード(共著)『ぶっ壊します!  泥棒国家日本と闇の権力構造』(徳間書店、2005年9月30日刊)

「政治においては、何をしても軽蔑されない」(ベンシャミン・ディズレーリ)



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 中丸薫氏は著名な国際政治評論家。
 ベンジャコミン・フルフォード氏は、米経済誌『フォーブス』のアジア太平洋支局長を経て、現在フリージャーナリスト。
 ともに多くの著書がある。本書の構成と内容は次のとおり。
 序章「小泉さん、国民をキャッシュディスペンサーとしてこれ以上、こき使わないで!」
 第1章「日本人は闇の権力にむしられ放題!」
 第2章「インチキ資本主義の国日本」
 第3章「ヤクザへ、右翼へ――私たちは呼びかけたい!」
 第4章「官僚たちにも呼びかけたい!」
 第5章「本当はこんなにおそろしい世界の裏側」
 第6章「日本は本当はどうしたらいいのか?!」
 第7章「打倒、横田幕府! そして人間復興へ」
 (「横田幕府」の「横田」とは横田米軍基地の横田のこと。横田米軍基地が日本の政治を支配しているという意味)

 本書の表紙(カバー)の「帯」に二人の著者の言葉が記されている。
 フルフォード氏「小泉改革は真っ赤な嘘! 国民からいかに金を奪うか! 日本は今それしか頭にないゾンビたちに乗っ取られているんです!」
 「小泉にとって『改革』は政権維持のための道具に過ぎないのに、なぜ日本人は気がつかないのか? 毎日『改革』を叫ぶリーダーを持ちながら、国が滅んだなら、これは漫画だ!」
 中丸薫氏「騙して、支配して、富を巻き上げる。これは、日本がまさに闇の世界権力のミニチュア版に成り下がったということです」
 「郵政民営化になぜあんなに血眼になるのか? それはブッシュに約束させられているのよ。郵貯・簡保の350兆円を渡しなさいって。あなたがいうように『アメリカに丸投げ!』いや国際金融機関に丸投げで、『改革は、はい、完了!』」 

 さらに裏表紙にこう記されている。 「構造改革なんてなにひとつとして進んでいないぞ! すでに400兆円が消えたんだ!政治家と官僚がこんなに腐敗していて、マスコミが本当のことを隠蔽する国はないぞ!」(フルフォード)
 「闇の世界権力のための構造改革が進んでいるのよ! マスコミを支配すれば、なんだってできるわ。自作自演の9.11テロをアラブのせいにしたみたいにね!」(中丸薫)

 小泉改革の本質を衝いた書物であり、小泉改革とは何かを知る上で役立つ本である。多くの国民に読んでいただきたいと思う。  






2005.12.5(その2)
2005年森田実政治日誌[486]

今日の日本のマスコミは小泉独裁政権の生みの親であり、用心棒である
マスコミ人よ目を覚ませ――日本のマスコミは日本を滅ぼす凶器である。日本のマスコミは小泉政権の手先にすぎない。マスコミ内部のエリートジャーナリストはとくに危険である。彼らは小泉政権の番犬であり、小泉政権に仕える忍者のような存在であり、時にはスパイとなる。彼らは本質において偽善者であり、日本国民を不幸にする地獄の死者である

「テレビは人間にとって地獄の機械であり、危険である」(ルイ・フェルディアン・セリーヌ)



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 マスコミの堕落と小泉政権の番犬化がますます進行し、深刻化している。
 最近、私は、ほとんど毎日講演しているが、ほとんど毎回、終了後、質問を受ける。
 9.11総選挙結果の評価を聞かれると、こう答えることにしている――「マスコミが小泉政権を勝利させた」と。
 現在の社会において決定的に強大な影響力をもち、人の命運を決することができる組織は二つある。
 一つは政治権力である。政治権力が節度を失ったときは何でもできる。一般市民の自由を奪うことも政治権力なら簡単にできる。平和なときでも、一般市民に犯罪容疑をかければ、彼を社会的に葬ることができる。
 もう一つがマスコミである。マスコミ内部の記者が特定個人を社会的に葬ろうとすれば、簡単にできる。その人物のスキャンダルを新聞に書くかテレビで報道すれば、たとえそれが真っ赤な嘘であっても、一般大衆はマスコミ報道を信じてしまう。人間の心を失ったマスコミの記者から狙われた人物は、いつ、偽りのスキャンダル報道によって、社会的に葬られるかわからない。道義心を失ったマスコミの記者ほどおそろしい凶器はないのである。
 政治権力とマスコミは、現代社会の二大巨大パワーである。この二つが合体すれば無敵の超巨大権力が成立する。政治権力がマスコミを支配し、政治権力者がマスコミを手足のように自由に動かすようになったとき、その政治権力は無敵である。
 1930年代のナチスヒトラー政権、1930年以後50年代前半までのスターリンソ連共産党政権、1930年以後の日本の天皇制下の軍国主義政権はマスコミを完全に手先として使った。最近では2001年9月11日の同時多発テロ事件後の米国のブッシュ政権が米国マスコミを支配し、手先として使った。
 わが国の小泉政権も同じである。日本のマスコミはほぼ完全に小泉政権の手先となり、「小泉内閣の高い支持率」をでっち上げるだけではなく、小泉政権批判者に対する「殺し屋」の役割を果たしている。とりわけひどいのが、民放テレビの報道番組とワイドショーと大新聞社の政治記事である。彼らは、小泉政権に奉仕し、小泉首相を礼賛し、高支持率をねつ造し、同時に、小泉首相の批判者を社会的に葬る殺し屋の役割を果たしている。
 マスコミ人よ、目を覚ませ、と言いたい。諸君は、自らが小泉政権の「日本破壊政策」のお先棒を担ぎ、日本破壊を行っていることに気づくべきである。自ら良心を失ってしまっていることを認め、反省すべきである。道義心と良心を捨て去ったマスコミのジャーナリストほど危険な存在はないのだということを知るべきである。
 小泉首相は、日本のマスコミを手先化することによって、独裁者になった。換言すれば、マスコミが小泉独裁体制をつくった。いまや、「小泉自民党にあらずんば人にあらず」という由々しき状況である。この状況をつくった共犯者がマスコミである。
 小泉政権は日本の自立的な政権ではない。ブッシュ政権に奉仕する従米政権である。小泉政権はブッシュ政権の指示に従い、米国の巨大金融資本の利益のために、日本国民の富を、米国に差し出している。日本国民に重税を課し、その巨額の金を、米国政府の利益のために使っている。小泉政権は米国政府の命令に従って、「苛政」(日本国民に重税を課す過酷な政治)を行っている。テレビと大新聞は、この小泉政権を礼賛し、小泉政権の批判者を攻撃しているのである。