2005.10.29
2005年森田実政治日誌[413]

【1】亀井静香氏の力強い正論――小泉政権の対米隷属路線を糾弾する亀井氏のきびしい小泉批判

「有為転変は世の習い」(『太平記』)
[物事すべて常にとどまることなく移り変わる]

 9.11総選挙の結果、小泉首相は独裁者になったが、こんな状況がいつまでもつづくということはあり得ない。いま、野にある亀井静香氏の逆襲も十分に起こりうることである。現代は『太平記』によく似ている。小泉首相の従米・重税政治がいつまでも国民の支持を受けつづけるなどということはあり得ないと思う。
 亀井静香氏の力強い小泉批判はいささかも衰えていない。むしろ舌鋒が鋭くなっている。
 『月刊日本』11月号に、「小泉政権の対米隷属路線を糺す」と題する亀井氏のインタビュー記事が掲載されている。短いインタビューだが、亀井静香氏の意気が少しも衰えていないことをうかがい知ることができる。「亀井静香、健在なり」との感を強くした。
 亀井氏は冒頭でこう語っている。
 《いまの日本は歴史的危機に直面している。我が国はすでにアメリカの51番目の州にされてしまった、と言っていいだろう。現状の日本はアメリカにうまく利用され、安全保障面でも、経済面でも、アメリカの世界戦略に一方的に奉仕させられている。このアメリカ従属路線が、小泉政権下で一段と進められた。》
 亀井氏の言うとおりである。小泉政権は自ら進んで従米路線を推進してきた。いまも従米路線まっしぐらであり、間違った政治をつづけている。
 さらに亀井氏は語る。
 《安全保障面で言えば、アメリカは中国や朝鮮半島に対する軍事戦略を遂行するために、日本を「国家」としてではなく、単に米軍の前線基地としての「日本列島」と考えているフシがある。米陸軍の第一軍団司令部の座間移転問題が浮上しているが、これは陸上自衛隊の統帥権をアメリカに譲り渡すという危険性を孕んでいる。すでに、海・空自衛隊は米軍の補助部隊として米軍の機能に組み込まれており、我が国の陸海空自衛隊がアメリカ軍の傘下に置かれ、傭兵化するという危険性がある。》
 亀井発言は正しく、鋭い指摘である。勇気ある発言である。小泉首相と小泉首相の後見人であるブッシュ政権が、亀井静香氏を異常におそれ、亀井氏を排撃したのは、亀井氏がこうした正論を勇気をもって主張してきたほとんどただ一人の政治家だからである。
 これからは国民の力で勇気ある正論の政治家・亀井氏を支え、応援しなければならないと思う。

【2】〈続〉亀井静香氏の力強い正論――日本外交はどうあるべきか

「『孤独』はすべてすぐれた人物の運命である」(ショーペンハウアー)  
[亀井静香氏はほとんどただ一人で小泉政治と戦いつづけている。これは亀井氏がすぐれた人物であることの証明である――森田]

 『月刊日本』11月号の亀井発言の紹介をつづける。 亀井氏は言う。 《いまの日本外交は、言わばアメリカの金太郎飴だ。アメリカの意向に唯々諾々と従うだけで、アメリカと同じような発言をし、行動している。日本独自の外交、路線、選択があって、初めて独立国日本の存在意義があり、各国からも評価が得られるのだ。これから我が国は、世界で果たすべき役割は何かを真剣に考え、その一環として対アメリカ外交を再構築しなければならない。》
正論である。日本は独立国でなければならない。
 小泉内閣は「日米同盟強化」「グローバリズムへの対応」の名目のもとに、従米路線まっしぐらである。内閣総理大臣自らが先導して対米従属路線を突き進んでいるのだ。わが国はまことに由々しき状況にある。
 われわれは、一日も早く、小泉首相の政治を打倒し、亀井静香氏を日本の政治の指導者の地位に復帰させる必要がある。

 ここまで書いた時(10月28日正午)NHKテレビの昼のニュースが始まり、「日本で初めて米軍の原子力空母の横須賀配備が決まったことをシーファー米駐日大使が発表した」と伝えた。これを受けて町村外相は、あたかも当然のことのように受け入れを認めた。
 なんということか! わが日本国の国土は、米軍が自由に、米軍がなんでもできるように使われるようになってしまった。これを実行したのは小泉首相である。まことに罪深い。日本は全域が米軍の軍事基地にされてしまったのだ。
 日本国民は怒らなければならない。起ち上がらなければならない。

【3】〈続々〉亀井静香氏の力強い正論――弱肉強食の小泉・竹中路線で日本は崩壊する

「世上にもてはやされる人間は長続きしない。けだし流行は移り変わるからである」(ラ・ブリュイエール=フランスの著述家、1645-96)  
[ブッシュも小泉も竹中も、自由主義市場経済論も構造改革も長続きしない。しかし、亀井静香氏の正論は永続する。歴史の教訓を踏まえた道議と常識を基礎にしているからだ]

 亀井氏の力強い正論の紹介をつづける。
 『月刊日本』11月号の亀井静香氏のインタビュー「小泉政権の対米従属路線を糾す」の後半部分は、主として経済政策について論じている。亀井氏の主張に耳を傾けよう。
《小泉政権は安全保障面だけでなく、経済面でも対米隷属路線を押し進めている。アメリカにとって、日本経済を支配下に置くことは国家戦略を遂行する上で極めて都合がよい。
 小泉・竹中政権下で、アメリカによる日本経済支配が急速に進んでおり、その象徴が「郵政民営化」だ。 郵貯・簡保という世界最大の金融機関を解体し、外資の支配下に収めるプロセスが、郵政民営化法の成立によってスタートをきることになった。(中略)
 小泉・竹中コンビの狙いは、郵貯・簡保で国民から集めた資産350兆円を、民間金融機関として経営する形をとりながら、結局はアメリカにそっくり引渡すことである。また、郵政民営化によって地方経済は完璧に失速する可能性がある。実はもう音を立てて崩れており、地方からは悲痛な悲鳴が上がっている。
 こうして、弱者が困窮し、地域社会が崩壊しても、小泉首相は我関せずである。》
 亀井氏の言葉はすべて正論である。すべての指摘は正しい。
 そして亀井氏は最後にこう結んでいる。
《いまの状況は決して永続しない。2年後の参院選ではそうはさせない。私は、国民と対米隷属化の危機感を共有しつつ、日本をアメリカの51番目の州にさせないために、小泉・竹中路線にストップをかける決意だ。》
 亀井氏の言論は正しい。われわれ国民は、全力を挙げて、この正義の政治家・亀井静香氏を盛り立てなければならない。
 日本は、小泉首相によって出された危機を乗り切るために、亀井静香氏を必要としている。来年2006年中には小泉政権は消える。そのあと、混乱期がくる。このとき、亀井氏は復活する可能性がある。