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2009年11月18日 (水)

霞が関改革の本丸は法務検察と財務国税にあり

 鳩山政権が政府支出の無駄削減を推進するための重要な手法として掲げた2010年度予算にかかる「事業仕分け」作業が前半の日程を終えた。

事業の「廃止」や「予算計上見送り」による予算の削減のほか、公益法人などの基金の国庫返納などを求め、総額1兆4000億円超を絞り出した。24から27日に後半の事業仕分けが実施され、無駄な経費の絞り出しに上積みが図られる。

事業仕分けの模様はインターネットやテレビなどで紹介され、賛否両論が生じている。

問題点として指摘されていることは、

@予算の廃止や縮減を決定するためのプロセスが短時間過ぎて乱暴であること。

A各省庁説明社が「悪者」として舞台が設定され、仕分け作業の場が「劇場化」していること。

B事業仕分けの対象とされたのが447事業で全事業の15%にすぎないこと。C財務省所管の事業では8事業しか事業仕分けの対象とされなかった。

D財務省が査定マニュアルを作成し、問題点の指摘を指南していたこと。

E事業仕分け人メンバーに、市場原理主義者、財政再建原理主義者が多く含まれていること。

F事業仕分け作業と最終的な予算編成とが直接リンクされていないこと。

などである。

政府支出の無駄を排除すべきと考える国民は極めて多い。これまでの予算審議では国会でさまざまな論議が行なわれても、最終的には政府が編成した予算がそのまま成立していた。予算編成は財務省のおける査定に完全に丸投げされていたと言ってよい。

今回の事業仕分けによって、初めて国民が予算査定作業に触れることができた。その内容を見ると、多くの政府支出が国民の福祉を向上させる名目で計上されていながら、実際には官僚OBが巣食う独立行政法人などを支えるために支払われてきた実態がよく分かる。

多くの支出を削減、あるいは廃止しても国民生活には影響しないことがよく伝わってきた。民主党は総選挙に向けての政権公約において、予算の内容を精査し、無駄を排除することによって大きな財源を生み出すとの方針を示していたが、その公約が着実に実行に移されている感が強い。

天下りを受け入れている政府機関に12兆円もの国費が投入されてきた。その資金のなかには国民に対する融資資金などが含まれており、すべてが無駄であるというわけではないが、多くの部分が官僚OBの生活を支える資金と化している。天下りを排除し、予算から天下りを温存するための支出を取り除こうとすることは正しい政策である。

こうしたなかで大きな問題であると考えられるのが、

@予算査定における人民裁判的な乱暴な措置が垣間見られること。

A財務省が舞台回しを行なっていることが明白で、財務省自身への切り込みが極めておろそかになっていること。

の2点である。

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2010年度予算編成までの時間的制約が強く、そのために作業がやや乱暴にならざるを得ないことは理解できるが、重要な論議を行なうには、十分な情報収集と時間が必要である。今回の予算編成を終えた段階では、すべての問題についてじっくりと時間をかけた精査が求められる。また、支出がひとくくりに論議されているが、必要で残すべき支出と不要な人件費などで排除すべき支出を選別するきめ細かい対応が不可欠である。

また、事業仕分け人の発言の多くが財務省秘密マニュアルに基づいていることは大きな問題である。多くのメンバーが財務省の手先であることも、今回の事業仕分けの限界を明確に物語っている。

今回の事業仕分けが終了した段階で、事業仕分けWGをいったん解散し、2010年以降の新しい体制を構築する必要がある。

事業仕分け作業は11月24日からの後半の作業を残している。後半の作業では財務省への切り込みが不可欠である。

事業仕分けの会場になった国立印刷局市谷センターは、財務省所管の独立行政法人が保有する施設である。財務省所管の独立行政法人の保有資産は大きく、ここにメスを入れなければ、財務省だけが予算切り込みの聖域とされているとの批判を免れない。

天下り問題においても、まず手を入れるべきは財務省である。財務省、国税庁の天下りを排除せずに、他の機関の天下りだけを狙い撃ちすることは筋が通らない。

財務省の天下り御三家は、日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫である。これ以外に、日本銀行、東京証券取引所、日本たばこ、横浜銀行などが大どころの天下り先である。

財務省がたばこ増税に消極的であるのは、財務省の最重要天下り企業である日本たばこの経営に影響を与える可能性が高いからであると考えられる。

東京証券取引所はいったん天下りを排除したが、自民党政権時代に目に見えにくい形での天下りを再開した。日銀に対する天下りは民主党が体を張って阻止したが、財務省では日銀への天下り復活を求める声がなお強い。

霞が関1丁目1番地は検察庁・法務省だが、ここに警察庁を加えた法務・検察・警察・裁判所、および財務省・金融庁・国税庁一派の改革を進展させなければ、霞が関改革=「官権政治の排除」は実現しない。

事業仕分けの後半日程に、財務省関連の事業を事業仕分け対象に追加で提示するべきである。予算の切り込み自体は評価できるものであるが、財務省関連予算の切り込みがなければ、民主党の対応は財務省主導であると糾弾されることになるだろう。

鳩山政権が対峙しなければならない本丸は、法務・検察・警察・裁判所と財務・金融・国税にあることを忘れてはならない。

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